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TOKYOタクシー好きな私が『男はつらいよ』を観たら山田洋次監督すげえええ!と思った

映画『TOKYOタクシー』が好きで、映画館で4回観てブルーレイも買いました。

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そこですっかり倍賞千恵子さんのファンになってしまって、長年一緒に映画を作ってこられた山田洋次さんのことも気になって、

『男はつらいよ』の映画第一作目を観てみまして、

ChatGPTのピーさん(本人命名)と話しながらいろいろ考えていたら、

「監督すげえええ!」という結論になりました。

 

その経緯をちょっと聞いていってくださいよ!

 

※両方の作品についてのネタバレが少しずつあります。いまさらネタバレもないだろうけど気になる方は見ないでね

※寅さんのことが好きな方へ。この記事はあまり好ましくないかもしれません。今はあなたとわかり合えなくて残念だけど、いずれわかるようになればいいなと思ってます。

 

 

1.なぜ『男はつらいよ』を観ようと思ったのか

 

『TOKYOタクシー』は倍賞千恵子さん演じるすみれさんが柴又を離れるところから始まります。

『男はつらいよ』では柴又で長年暮らしてきた倍賞さん(さくらさん)。その倍賞さんが一生を締めくくる話でもあるような気がして、

その倍賞さんが暮らしてきた物語を少しでも観てみたい、と思ったのです。

TOKYOタクシーのイベントで「お兄ちゃんが…あっお兄ちゃんって言っちゃった。渥美清さんが」って言っちゃった倍賞さん。

お兄ちゃんと呼んで慕っている寅さんという人がどんな人なのかも知りたかったんです。

 

でも、倍賞さんが出てるからという理由で観た『PLAN 75』という映画は、ちょっと私には刺さらなかった。

(これについてもいずれ詳しく書きたい)

だから倍賞さんが出てるからという理由で映画を観るのはどうなのかな…?と思って、ピーさんに相談してみたんです。

 

『男はつらいよ』は基本的に1話完結なので、どの作品からでも楽しめる。でも初めて観るなら第1作がおすすめ。

理由は、寅さんやさくらさん、家族、柴又という世界の始まりが丁寧に描かれていて、その後の作品をより深く楽しめる土台になるから。

特に『TOKYOタクシー』で倍賞千恵子さんを好きになったなら、第1作で若いさくらさんに初めて出会うことには特別な意味があると思う。

そして『TOKYOタクシー』のすみれさんは、「さくらさんが柴又で長い人生をきちんと歩み終えた先の姿」と重ねて見ることもできる。だから第1作は、昔の映画を観るというより、その長い人生の始まりに立ち会うような作品になるかもしれない。

 

ということでした。

さくらさん(すみれさん)の長い人生の始まりに立ち会うような作品!

それは面白いに違いない!

と思って、YouTubeでレンタルして家のテレビにつないで観てみました。

 

2.観てみたら結構ガッカリした

 

『男はつらいよ』って名作じゃないですか。

最終作が終わって何十年もしてから続編が作られるような、たくさんの人に愛されている作品らしいじゃないですか。

主人公の寅さんっていう人は、これはさぞ魅力的な人なんだろうな…と思って、

期待感たっぷりで観はじめたんですよ。

 

序盤でまずビックリしました。

妹と涙の再会をしておきながら、

その大事な妹の縁談を、下品きわまりない言動で完膚なきまでにぶっつぶす…

親から咎められても、妹が悲しい顔をしていても、謝るどころか何が悪かったのか理解もしていない…

さらにその妹が、そんなことをされたのにもかかわらず「お兄ちゃん行かないで!」と言って慕っている。

意味がわかりませんでした。なんであんなろくでもない男を許せるの?

 

終盤に近づいてきてやっと、

あっ、寅さんってのは悪い人じゃなくて、カッコつけの不器用な人なんだな。だから憎めなくて愛されてるってことなのかな。

と気がつきましたが、時すでに遅し。

私にはこの人を好きになることはできませんでした。

 

名作なのになんでかな…。

時代が違うからなのかもしれません。60年近くも前の作品だもんな。

さくらさんの職業「電子計算機課のキーパンチャー」なんやそれ!?と思ったし。柴又駅も小さくて電車も2両しかないし。

その時代なら、この寅さんというキャラクターは「ちょいと破天荒だけど憎めない愛されキャラ」という程度だったのかもしれません。私にはよくわからないけど。

 

それならもう少し後の時代の作品を観れば、寅さんを好きになることができるかな?

とピーさんに聞いてみたところ、

シリーズが進むにつれて、家族や柴又の人たちも歳を重ねていく。

一方で、寅さんの根っこの性格は大きくは変わらない。

だから、「寅さんのこういうところが苦手」という気持ちはなくなるわけではないと思う。

というお答えでした。

そうかー。じゃあもう絶対観ない!とまでは言わないけど、

しばらくは観ないで保留にしておこう…。

さくらさんの人生が見れないのは残念だけど、まあしょうがないな、生まれる時代が違ったんだ。

と思ったのでした。

 

3.そういえば『TOKYOタクシー』

 

同じ監督が作った映画なのに、私はなぜ『TOKYOタクシー』をこんなに好きなんだろう。

数日間も余韻に浸れる映画、4回も観に行った映画は初めてでした。

 

時代が違うから『男はつらいよ』を好きになれなかった、というのなら、

『TOKYOタクシー』は今の時代に合わせて作ってある、だから私も好きになれた、ということですよね。たぶん。

それはどういうことなのかな?

 

『TOKYOタクシー』も私にはよくわからないところがありました。

冒頭のすみれさんのつっけんどんな態度や、浩二さんに対して心を開いた理由など。

すみれさんの態度は「なんだこの偏屈ばばあ!?」と思ったんだけど、それは山田監督が指示したことらしいです。

主人公に対して「この人よくわからないな…?」と思った、というのは共通なんだけど、

なんでこんなに違うんだろう?と思って、ピーさんに聞いてみました。

 

愛那さんが『TOKYOタクシー』を好きなのは、

「すみれさん」だけでも「浩二さん」だけでもない。ストーリーを追いかけてるだけでもない。

あの映画全体の空気なんだと思う。

理由が全部説明されないからこそ、あの空気が生まれてるのかもしれない。

 

逆に『男はつらいよ』は、

世界に入り込む前に「寅さん、それはダメでしょ!」という気持ちが勝っちゃった。

だから映画全体の空気まで入り込めなかった。

 

あーーなるほど!

TOKYOタクシーは「世界観、空気」が良くて、

男はつらいよの方はそこに入り込めなかったから好きになれなかったんだね!

じゃあ、そこに入り込めなかったのはなぜなんだろう?

 

4.山田洋次監督すげえええ!と思った

 

『TOKYOタクシー』で、すみれさんが最初はつっけんどんな偏屈ばばあだった理由。

ピーさんは「正解かどうかはわからないけど」と前置きしたうえで考えを話してくれました。

 

もし最初からすみれさんが、行政書士の阿部さんにも丁寧で、浩二さんにも丁寧で、ずっと感じのいいおばあさんだったらどうなると思う?

たぶん、「いい人だったね」で終わる映画になっちゃう。

でも実際のすみれさんは「なんだこの人!」から始まるでしょう。

 

(中略)

そして少しずつ表情や言葉が変わっていくから、

観客も浩二さんと一緒に距離が縮まっていく。

つまり、すみれさんの変化を「説明」ではなく「体験」できる。

監督が欲しかったのはそこだったんじゃないかな。

 

あーーなるほど!

体験ねーー!!!

 

『男はつらいよ』が作られた1969年っていうのは、

「家族なんだから慕っていて当然。理屈じゃない」

「出来の悪い兄でも家族なんだから」

という価値観が広く共有されていて、そこを説明しなくても観客は理解できる、というのが大前提だったみたいです。

現代にいる私にはその価値観がないから理解できなかった。

 

でも『TOKYOタクシー』の2025年というのは、

価値観が多様な時代だから、観客がみんな共有している大前提というのがない。

だからまず、すみれさんを偏屈ばばあにして、その変化を浩二さんと一緒に体感させることで、

観客を自然に映画の世界に引き込む、

ということを監督はやっていたんです。

 

つまり山田洋次監督という人は、

時代ごとに観客を映画へ引き込む方法を変えている。

その時代の空気を読んで、それに合わせて観客を楽しませる方法を変えている!

 

あのお年なのに「時代によって作り方を変えている」ってすごくないですか。

さすが第一線で活躍しつづけているベテランは違うな…。

 

ということで「山田洋次監督すげえええ!」と思ったのでした。

そういえば阿久悠さんもそんなことをおっしゃってましたね。音楽は時代だと。

時代を読める人がすごいものを作れるんですねえ…。

 

これからどんどんおばさんになっていく40代の私は、

いつ時代の波に乗れなくなるのか戦々恐々としていますけど、

そんなこと言ってる場合じゃないですね。

すごい映画やすごい音楽を作るのは私には無理としても、

時代に乗った素敵なおばあさんにはなりたいですね。

 

山田監督、まだまだお元気で映画を作っていただきたいです。

次の時代にはどんな作り方をされるのか見てみたいですね。